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幻の果実「ゆこう」がなる町

幻の果実「ゆこう」がなる町

徳島県はすだち・柚子など柑橘類の生産地として有名ですが、
「ゆこう」という柑橘があるのはご存知ですか?
生産量が少なく、幻の果実と言われていますが
1981年の大寒波で樹園地面積が大幅に減少したのち、
地道な普及活動で徐々に生産量を増やしてきています。
香りが爽やかで酸味が抑えめな「ゆこう」は
ポン酢の味付けなどで静かな人気を得始めています。

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ゆこうはもともとだいだいと柚子が自然交配したもので、徳島県での生産がほぼ100%を占めています。
上勝町では昔から家庭料理の材料として重宝され、酢飯に合わせる醸造酢などに使われてきました。
地元では10月に収穫しても、4月まで食べることができ、しかも糖度が14度まで上がって大変身することから「たぬき」という愛称で呼ばれることもあるとか。
ゆこうを樹木の根元においておくと雑草が生えなく、害虫が来ないとも言われています。
また樹木に棘がなく低木ということもあり収穫のしやすいことも特徴です。

10月ゆこうの収穫はピークを迎えます。
ゆこうは一本の枝にたわわに実るのが特徴で
粘りが効く枝は大物を釣り上げた竿のようにしなっています。
太陽から栄養をいっぱいもらった葉っぱは、仕事を終えて淡い緑色になるそう。
畑には爽やかなゆこうの香りがほのかに漂っています。

東とくしま農協上勝支所ゆこう加工場では果実搾取がピークを迎えています。
上勝町内で収穫されたゆこうのほとんどがこの工場に運ばれてきます。
衛生管理が徹底された最新の工場で、平成30年にはロータリースライサーが導入され、果皮の販売にも力を入れているそうです。

手選別されたゆこうの実は洗浄ラインに流され、その後搾汁機で果汁が絞られます。
果汁は瓶とキュービテナー(プラスチック容器)に充填されて冷凍・冷蔵保存されます。
主にはポン酢メーカーなどに送られますが、最近では銀座の料亭や京都のお菓子屋さんなどからも引き合いがあり、新しいゆこうの使われ方が増えてきています。
また海外での反応も上々で、控えめな酸味が重宝されるそう。

ゆこうは健康の観点においても注目されています。
腸内環境を整えて、肥満抑制効果があるという徳島大学の研究結果が発表されました。
また、ゆこうの抗菌性・静菌性は天然の食品保存料としての活用が期待されています。

地元でも、ゆこうピールをクラフトビールに使ったり、お菓子屋さんやカフェのスイーツにも使われることが増えてきました。
すだち・柚子と並んで、ゆこうも柑橘王国徳島の顔になる未来は近いかもしれません。