特集

日本遺産認定
阿波藍を藍の産地・上板町で学ぶ

徳島を語る上で欠かせないのが“阿波藍”。江戸時代に盛んになった藍産業は、産業面はもちろん文化面での発展にも寄与しています。現在でも日本でトップクラスの藍の栽培面積を上板町で藍の歴史を感じ、そして実際に藍染め体験ができる施設を紹介します。

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いま注目度が高まりつつある“阿波藍”の歴史

歴史的建造物や風習といった有形無形の文化財を
テーマや地域ごとに一括認定する文化庁の「日本遺産」。

2019年5月、徳島県内の吉野川流域9市町が申請した
「藍のふるさと 阿波~日本中を染め上げた至高の青を訪ねて」が認定されました。

阿波藍の特徴、それは天然染料のもととなる「すくも」にあります。
藍師と呼ばれる職人が昔ながらの技法を用い、
タデ科の植物である藍の乾燥葉を発酵させて作っていきます。

そのため阿波藍の製造には1年近い時間を要し、
職人が長い時間をかけて丁寧に作業をしていくのです。

温暖な気候や吉野川流域の肥沃な土壌があったこと、
そして藩の保護奨励で藍師や藍商から取り立てる租税で藩の財政を確立したことから
江戸時代には“阿波25万石、藍50万石”とまでいわれるほどの
日本最大の藍作地帯として知られるようになりました。

今回認定された「日本遺産」は江戸時代に隆盛を誇った藍商人の産業面に関することだけでなく、
阿波人形浄瑠璃やうだつの町並みなどの文化面についても深く掘り下げています。
この日本遺産認定によりジャパンブルーとして親しまれている藍が、
全国的にもさらなる注目を集めるきっかけにもなることでしょう。

藍の栽培面積・すくもの出荷量で日本一を誇る上板町

そんな徳島の歴史や文化を語る上で欠かせないキーコンテンツである“阿波藍”。

そんな阿波藍の原料となる「藍の花」を、町の花として制定している上板町には
藍染めの歴史などを学べる『技の館』があります。

 技の館・正面入り口。
技の館・正面入り口。

同館では藍に関する展示室があり、藍が染料になるまでを
写真を見ながら学ぶことができるスペースや
新しくリニューアルされた藍で木材を着色した1階販売スペース、

完全制御型LED植物工場を設置。
こちらはLED光によって栽培していて、
藍の生葉を年中見ることができるのです!

気候や自然環境の影響を受けることがないうえ、
土を使用せず培養液を循環させて藍を育てています。

歴史ある阿波藍栽培も先進の技術とのコラボによって
進化しつつあるようです。
ほかにも希望があれば阿波藍の歴史や文化について資料を交えて
説明を行ってくれるので、社会科見学や夏休みの自由研究を目的に
訪れる人も多いのだそう。

藍染め作品をつくって、日常に藍を取り入れる

『技の館』には『藍染体験工房』を完備しているので
実際に阿波藍による藍染め体験にもチャレンジできます。

 『藍染体験工房』の様子。
『藍染体験工房』の様子。

工房内には染料をたっぷり保存している甕や洗い場があります。
体験の際にはスタッフがしっかりと指導してくれるので、
初心者や小さな子どもも気軽に藍染め体験を楽しむことができます。

今回はストールとエコバッグの藍染め体験に
親子でチャレンジしているところに密着しました。

まずスタッフから染め方の説明が行われます。
さまざまな染め方、模様からお気に入りのものが選べます。

どんな模様に仕上がるのか、わかりやすくパターンが展示されているので
イメージがわきやすくなっています。
いくつかのパターンを組み合わせて、オリジナルの模様をつけることも可能です。

今回、ストールは布をねじって不規則な染めムラをつける「ねじり染め」に挑戦。
親子で協力して、丁寧に作業を進めます。

ねじりや結び目がゆるいと、そのゆるみから染料が入ってしまうので
きっちりと結ぶことがポイントだそう。

またカメラのフィルムケースや、
洗濯バサミ、クリップなどを使用して
模様をつけることもできるんです!

 エコバッグはさまざまなアイテムを使って 何やら模様を作りあげているようです。
エコバッグはさまざまなアイテムを使って 何やら模様を作りあげているようです。

模様をつける準備が整ったら、エプロンとゴム手袋を装備して
藍の染液に浸します。

 染液がたっぷりと入ったステン槽の 深さはだいたい1mほど!
染液がたっぷりと入ったステン槽の 深さはだいたい1mほど!
 小さな子どもも体験しやすいようにと、 踏み台を用意してくれています。
小さな子どもも体験しやすいようにと、 踏み台を用意してくれています。
 だんだん藍の色が沈着していき、 青く染まっていくのがわかります。
だんだん藍の色が沈着していき、 青く染まっていくのがわかります。

藍染めの染液は藍の乾燥葉を発酵させたものなので独特の匂いがありますが
染めていくうちに慣れてきた様子。

1分間染液に浸けたら、取り出して酸素に触れさせるという作業を
5回繰り返せば、染めの工程は終了です。

続いて生地の余分な染料を流水で流していきます。

付けていたクリップや、ねじりをほどいて
全体を綺麗に洗っていきます。
少しずつ模様が見えてきました…!

 ようやく完成した作品がこちら。
ようやく完成した作品がこちら。

ストールは透け感のある素材と
白と藍のコントラストが美しい大人っぽい仕上がりに。

エコバッグは顔をイメージしたデザイン。
フィルムケースや洗濯バサミをうまく活用して目や鼻を表現しています。

まったく異なるデザインの藍染め作品ができあがりました!

今回初めて藍染めに挑戦したというお子さまは
「ストールが大きかったので、洗い場で広げて洗うのが少し大変だったけど、思ったよりも簡単にできた! 面白かったです」と楽しめたようでした。

  もちろん、染めた作品は持ち帰って使用できます。
もちろん、染めた作品は持ち帰って使用できます。

家庭での洗濯方法や保管の方法もきちんと教えてくれるので
思い出の品として長く日常使いできるのが嬉しいですね。

また定期的にイベントも開催しているので、
詳しい情報についてはFacebook・HPをチェックしてみてくださいね。

注目度が高まりつつある藍。

藍の栽培面積、染液の原料「すくも」の製造・出荷量日本一を誇る上板町で、
藍染めの歴史について学び、実際に体験してみませんか?

『技の館』

『技の館』

徳島県板野郡上板町泉谷字原東32-4
088-637-6555
定休日 :月曜(祝日の場合は営業、翌日休)
営業時間:9:00〜17:00(体験受付は~15:30)
料金:ハンカチ(800円)、レーヨンストール(2,500円)、エコバッグ(S)(1,500円)など
【HP】https://www.townkamiita.jp/kanko-bussan/docs/2016081200060/