徳島市の中心部、東西に長く伸び、街と海を見守る眉山。山麓から徳島市街地一望の絶景で有名なロープウェイ山頂駅展望台までの山道沿いには古い石仏が並び、随所に岩場や険しい場所も。稜線沿いの縦走路は雑木のトンネルが続くふかふかの落ち葉が足に優しい道。意外な静けさに、ここが市街地のすぐ裏であると忘れてしまいそうなほど。徳島観光の隙間時間に、手軽に豊かな自然と山歩きを楽しめる。

眉山の西端部を縦断する古道・地蔵越遍路道で眉山南側に下りたなら、園瀬川を渡り文化の森総合公園へ。博物館など文化施設が集まり、入口脇には「猫神さん」の王子神社がある。ここから低い尾根伝いに続く縦走路「あずり越え」には、源義経が苦労して（あずって）越えたという伝説が残る。雑木の自然林の山は、季節ごとに装いが変わり、終点のとくしま植物園に向かって小刻みなアップダウンが続く。適度に歩き甲斐があり、トレイルの両端が公園と遊園地、徳島駅からのアクセス良好と、キッズ連れのファミリー層には嬉しいルート。途中の休憩所では、遠く東の田園地帯に佇む「日本最低山」弁天山をお見逃し無く。

古くから山岳霊場・建治寺への参拝者が行き来した里山道と、道沿いに立ち並ぶ石仏達が参拝者を導いてきた山の道。寺の滝行場は、境内から少し下った巨大な屏風岩に囲まれ昼なお薄暗い一角にある。絶壁の岩肌をしとしと伝う水音が厳かに響き、静謐で神秘的な雰囲気に心打たれる。滝行場への道沿いには鎖の岩場や、断崖絶壁の上に誘う高い鉄梯子などがあるが、高所が苦手でも迂回路があり心配はない。