特集

徳島の歴史探訪
レキシルとくしま

文化施設『レキシルとくしま』は、徳島県内で出土した埋蔵文化財を収蔵・展示している、徳島県立埋蔵文化財総合センターの愛称で、徳島県北部に位置する板野町にあります。旧石器時代から江戸時代までのさまざまな出土品を鑑賞することができるほか、考古学的な研究結果をまとめた資料も多く展示されていて、自由に見ることができます。また、実際に発掘されたときの様子を再現した展示があったり、古代の人々が作っていた勾玉やガラス玉・鋳造・草木染めなどの体験ができるワークショップが開催されていたりと、訪れる人がわくわくするような工夫があちこちに。歴史好きもそうでもない人も、古代の人の暮らしの様子をちょっと覗いてみませんか?

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常設展示点数は約1600点
古代の暮らしを見てみよう

常設展示点数は約1600点
古代の暮らしを見てみよう

徳島県の埋蔵文化財を多数収蔵し、だれでも気軽に見学ができる『レキシルとくしま』。
徳島県の北東部、阿讃山脈の麓に位置する板野町にあり、高松自動車道・板野 IC を下りて約 10 分で到着します。

館内の展示室や資料室には、徳島県内で出土した埋蔵文化財に関わる膨大な量の研究資料が保存されており、専門知識が学べる考古学の講演会や講座なども開催されています。

実際に発掘調査で出土した約 1,600 点にも及ぶ埋蔵文化財がガラス越しではなく、直接目にすることができるよう展示されています。中には実際に触ることができる出土品もあるそうなのでスタッフに声をかけてみてくださいね。
(展示室の展示品は不可)

国指定重要文化財 突線袈裟襷文銅鐸「矢野銅鐸」(とっせんけさだすきもんどうたく「やのどうたく」)。

「矢野銅鐸」が発掘されたときの様子を再現した展示もあります。
ガラスの上を歩いて真上から見ることができるので、発掘された当時の様子をリアルに感じることができます。
徳島最大規模とされる弥生時代の集落遺跡・矢野遺跡から発掘され、その姿からは約 2000 年の時を超えたオーラを感じることができますよ!

そのほか展示室中央には板野町内の[黒谷川郡頭遺跡](くろだにがわこおずいせき)で発掘調査をもとに復元した実物大の弥生時代の竪穴式住居(たてあなしきじゅうきょ)が展示されています。中には当時の衣服までも再現したリアルなろう人形があり、今にも動き出しそうな雰囲気です。

こちらのろう人形たちは辰砂(しんしゃ)とよばれる原材料を、水を使い分別して余分なものを取り除き朱と呼ばれる赤い顔料を作っている様子を再現しています。赤い色は血や命を連想させることから、魔よけや永遠の命を願って朱を作って使用していたのではないかと考えられています。

またユニークな展示は館内だけではありません。敷地内にある[弥生の音色広場]では、西長峰遺跡(にしながみねいせき)(阿波町)出土の分銅形(ふんどうがた)土製品をシンボルにした時計と、巨大な銅鐸形オブジェ 2 体のほかに音を鳴らすことができる復元銅鐸11個が設置されています。

分銅形土製品をイメージした時計盤のこの“なんともいえない”表情に、思わずほっこりしてしまうこと間違いなしです。

見るだけでなく作って学ぶ
ワークショップで古代を知ろう

出土した文化財を展示しているだけではありません。
古代の人々が実際におこなっていた方法で火起こしを行ったり、草木染めを体験できたりと、古代の生活にまつわるワークショップを多数開催しています。※古代体験ワークショップは事前予約。

特に[勾玉つくり体験](1 回 100 円)は、人気のワークショップです。
勾玉とは古代に使用されていた装飾品の一つで、穴に紐を通して首飾りとして使用されていたようです。

滑石に削りたい形の通りに下書きをして、その線に沿って石を削っていきます。

金のこや金やすりを使ってだいたいの形を削り取ったあとは、目の細かいサンドペーパーを使って表面をなめらかに仕上げていきます。完成した勾玉は持ち帰れるので、旅の思い出にもぴったりですね。
また『レキシルとくしま』では年に一度、[古代体験まつり]を開催しています。丸木弓と呼ばれる弓で的を狙う的当て体験や、古代人の着ていた衣服を再現したコスチュームを着用して写真撮影ができる古代衣装体験などファミリーに人気のイベントなので、こちらも要チェックです!

さまざまなワークショップを開催しているのは、もっとたくさんの人に歴史や文化財に興味を持ってもらいたいという思いから。歴史に興味がなかった人も、古代人の暮らしを体験することで、これまでとは違った視点で出土品を鑑賞できるかも。

教科書でしか見たことがなかった貴重な文化財たちを鑑賞するだけではなく、実際にさまざまなアクティビティーを通して徳島の歴史を学んでみませんか?

レキシルとくしま

徳島県板野郡板野町犬伏字平山 86-2
tel. 088-672-4545
営/9:30~17:00
休/月曜・祝日(5/3~5・11/3のぞく)および年末年始・臨時休所日
P/約 30 台(大型バス可)
https://www.pref.tokushima.lg.jp/rekishiru