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見た! 触った!食べた!
「海上自衛隊 徳島教育航空群」の初訓練を見学!

見た! 触った!食べた!
「海上自衛隊 徳島教育航空群」の初訓練を見学!

毎年1月上旬に開催される恒例行事、海上自衛隊徳島教育航空群の初訓練を見学させていただきました。
初訓練は一般公開されず、メディア関係者のほか隊員の家族、公募によって選ばれた基地モニターなどしか目にすることはできませんが、1年の最初を飾る初訓練の緊張感にあふれた様子をお楽しみください。

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イベント


やって来たのは板野郡松茂町にある「海上自衛隊 徳島教育航空群」。
ここは数ある自衛隊基地の中でも、若い海上自衛官たちがパイロットになるための訓練を行う施設です。

もちろん基地は厳重に警備されており、出入りする業者などを除いて一般人は立ち入り禁止。

毎年開催されていた基地の一般公開イベントでは市民も立ち入ることができていましたが、ここしばらくは新型コロナウイルスの影響によって中止が続いていますので、ここに入れるだけでも貴重な体験です。

 入口では退役した訓練機がお出迎え。
入口では退役した訓練機がお出迎え。

案内されたのは基地内にある第2格納庫、通称「2格」。
最初に行われた群司令・町島敏幸1等海佐の年頭訓示では、厳しさと不確実性が増す情勢の中での、徳島教育航空群が担う役割の重要性が説かれました。

 ずらりと並んだ約200名の隊員は、部隊によって制服も様々。
ずらりと並んだ約200名の隊員は、部隊によって制服も様々。

続いては、飛行訓練。
使用されるのは、普段から飛行学生たちが使っているのと同じ練習機TC-90。
アメリカ・レイセオンエアクラフト社製の双発機です。
スタンバイした3機に操縦員と整備員たちが駆け寄り、無駄のない動きで離陸準備を進めていきます。

各隊員が持ち場で役割をこなし、離陸準備が着々と進みます。

今回は希望するメディア関係者が同乗。
飛行ルートは通常の訓練とは異なり、基地上空から小松島市や鳴門市を約1時間かけて回る、初訓練用のものだそうです。
が、搭乗可能な人数の都合で、地上から離陸を見送ります。
それでも滑走路に向かって目の前をタキシングしていくTC-90の勇姿、コレが間近に見られただけでも満足です。

松茂町周辺で空を見上げると、しばしば目にするこのカラーリング。練習機は白とオレンジと決まっているそうです。

次に登場したのは、一風変わった大型車両。

 世界各地の空港にも配備されているという、オーストリア・ローゼンバウアー社製の「パンター」。
世界各地の空港にも配備されているという、オーストリア・ローゼンバウアー社製の「パンター」。

真っ赤な車体からお察しのとおり、この車両は救難消防車。
70mの放水が可能なルーフターレットをはじめ強力な消火能力を備えた、航空機火災に対応した化学消防車です。
実は徳島阿波おどり空港は、民間機と自衛隊機が同じ滑走路を共有しています。
それ自体は他の空港でもあることなのですが、民間機と自衛隊機両方の航空交通管制業務を海上自衛隊の航空基地で行っているのは、全国でもここだけなんだそうです。
都会に比べて便数は多くない空港かもしれませんが、いざという時に備えたこのような装備は、やっぱり頼もしいものですね。

従えた2台の消防車とともに、大空に向かっての一斉放水を披露してくれました。

しばらくすると、さっき飛び立った練習機が飛行訓練から帰ってきました。
同乗した記者によると、あいにくの天候で上空は揺れが大きかったそうです。

空港上空を旋回した後、1番機から順番に着陸。

操縦を担当した佐藤3佐。「上空から見た徳島の平穏な暮らしを守る重要性を実感し、身の引き締まる思いです」。

そうこうしている間に、時間はもうお昼近く。
案内された食堂では、隊員の皆さんが食べているメニューと同じものをいただくことができました。
海上自衛隊の名物メニューといえば…

そう、カレーです!

海上自衛隊では部隊や艦艇ごとに秘伝のカレーレシピがあり、毎週金曜日はカレーの日と決まっているのもご存じのとおり。
徳島教育航空群では地元の名産・なると金時を使っており、その甘さを引き立てた万人受けするカレーに仕上がっています。
ちなみに食堂内は、盛り付けから片付けまでセルフ形式。大盛りで食べたかったのはやまやまですが、写真映えを考えて控えめに盛ってみました。

 メニューについての意見を聞くカウンターが、ちょっとお茶目。
メニューについての意見を聞くカウンターが、ちょっとお茶目。

午後からは基地内を見学させていただきました。
まずは先ほどの2格で、練習機を至近距離からじっくり見学。
飛んでる姿もかっこいいけど、触れる距離で見るとピカピカでかっこいい!

1974年から運用の始まった機体。プロペラ3枚がⅢ、Ⅳ型、4枚がV型と見分けがつくそうで、そこを見ればちょっと知ったかぶりできます。

そして操縦席に着座! 目の前に広がる計器類には壮観な美しさをも感じます。

続いて向かった訓練講堂では、実際に飛行学生の皆さんが大小様々なシミュレーターを使って訓練している様子を静かに見学。
基本操縦訓練はもちろんのこと、視界が遮られた雲の中や夜間に飛行計器だけを見て飛行姿勢を判断するなど、あらゆる飛行を想定した訓練が行われていました。

その他にも管制塔や先ほどの救難消火訓練で登場した化学消防車を見学し、今回は終了。
初訓練という特別な場に臨む隊員の皆さんの真剣な表情、そしてパイロットという夢を実現する飛行学生さん達の熱心な姿勢を見て、頼もしさや責任感を再認識することができました。

海上自衛隊徳島教育航空群
徳島県板野郡松茂町住吉字住吉開拓38
TEL. 088-699-5111(代表)
HP/https://www.mod.go.jp/msdf/tokusima/