特集

フォトジェニックスポットの宝庫
歴史ロマンを感じる
寺町界隈をぶらりさんぽ

どの方向から見ても「眉」の形をしている眉山(びざん)。
その北麓にある寺町と大滝山周辺をご紹介♪ 御朱印やおみくじがかわいい&恋愛成就にご利益があるパワースポットや伝統ある老舗スイーツで、心も体もほっこり癒されますよ。徳島藩主・蜂須賀家や元ポルトガル神戸総領事モラエスゆかりの地など、歴史にもふれながらSNS映え抜群な散策コースをご案内します。

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金運・勝ち運・学問・縁結びの神
『徳島眉山天神社』

金運・勝ち運・学問・縁結びの神
『徳島眉山天神社』

徳島市のシンボル的存在の眉山。その麓に佇む鳥居から参道の階段をのぼった先にあるのが『徳島眉山天神社(てんじんしゃ)』です。

阿波国の初代藩主・蜂須賀家政(はちすか いえまさ)が、“学問の神様”として菅原道真(すがわら の みちざね)をお祀りした由緒ある神社で、受験シーズンともなれば多くの学生とその家族が、合格祈願や学業成就を願いに訪れます。

社殿前に鎮座する“知恵の牛”は、さすればさするほど知恵がつくそうですよ。

ここには『天神社』のほか、3つの社があります。

商売繁盛の神様とされる『眉山稲荷神社』、心願成就に霊験ありとされるタヌキをまつる『九人大明神』、そして古くから「姫宮さん」の愛称で親しまれている『姫宮神社』です。

なかでも『姫宮神社』は、恋結びや縁結び、安産、病気平癒などに特にご利益があるとされ、県外から足しげく通う参拝者もいるという注目の恋愛パワースポット。
女優の藤原紀香さんをはじめ、芸能人も多く訪れているのだとか。

鳥居や賽銭箱、石畳などあらゆるところにハート形が!
「夫婦の踏み石」と名付けられた22の踏み石をじっくり歩いて進むと、「日本有数の奇巌として絶妙にして幽玄なる秘物」とされる大きな陰石が祀られています。

お守りやおみくじ、御朱印もチェックポイント!

花模様があしらわれた[姫宮 良縁むすび]。さまざまな年代の女性に似合う色がそろっているので、渡す相手の顔を思い浮かべながらお土産に選ぶのもいいですね。

ぜひ、一度引いてみてほしいのが着物のデザインで人気の[姫みくじ]です。
「あなたの姫度」や「運命の殿方」など、いろいろな項目があるので、友達と一緒に引いて、お互いのおみくじを見比べれば盛り上がるはず!

そして「カラフルでかわいい!」と話題になっているのが、この手書きの御朱印。
1月は元日をモチーフにしたデザイン、3月ツクシ、4月は桜など、月ごとに季節感あふれる絵柄に変わります。
この月替わりの御朱印を楽しみに、毎月のように訪れる参拝者もいるそうです。

週末には巫女さんが丁寧に対応してくれますよ。

徳島眉山天神社
住所/徳島県徳島市新町橋2-21
TEL/088-622-9962
https://www.bizan-tenjinsha.org/

眉山の麓に広がる
寺町界隈で聖地めぐり

眉山の麓に広がる
寺町界隈で聖地めぐり

阿波おどりが年間を通して楽しめる『阿波おどり会館』のすぐ近くには、寺町と呼ばれるエリアがあります。

蜂須賀家政が天正13年(1585)に徳島城を築城。と同時に、城下町も整備され、以前の城下町だった藍住町勝瑞から多くの寺院が眉山周辺に移されて寺町が造られました。

戦時中の空襲で一度は焼けたものの、復興し、今は仏教の趣深い場所として、人気の高い散策スポットになっています。

阿波おどり会館のすぐ隣にあるのは、『潮音寺(ちょうおんじ)』です。明治期に活躍したポルトガルの外交官で、日本に関する作品を数多く残した文豪、ヴェンセスラウ・デ・モラエスと、その妻である福本ヨネと斎藤コハルの墓所として広く知られています。

そこから寺町の中心部へ進むと『長善寺』、その西側には『善学寺』、さらに南側には『妙典寺』、『本覚寺』と並んでいます。

 錦竜水
錦竜水

歴代の阿波藩主が愛用していた眉山の湧水『錦竜水(きんりょうすい)』の水汲み場もあります。硬度が高く、ミネラル分に富み、コクとまろやかさがあるのが特徴で、当時の地域住民の飲料水として重宝されていました。

現在でも自由に汲めるようになっています(※生水は飲まないでください)。

滝の焼餅『和田の屋 本店』で
歴史あるお菓子に舌鼓

滝の焼餅『和田の屋 本店』で
歴史あるお菓子に舌鼓

錦竜水の水汲み場近くにある『春日神社』の北側には『滝薬師』があり、その隣には情緒あふれる建物が静かに佇んでいます。“滝の焼き餅”で知られる『和田の屋 本店』です。
こちらのお店は、さだまさしさんの小説『眉山』に登場し、著名人や皇室関係者も訪れています。

“滝の焼餅”は、蜂須賀家政が徳島城築城の際、その祝いに献上されたとされる歴史のあるお菓子。
先ほど出てきたモラエスも大好物で、よく食べていたのだそう。

400年以上の時を経ても変わることのない製法と素材にこだわってつくられており、「とくしま市民遺産」にも選ばれています。

外皮は、うるち米ともち米を石臼で挽いて天日で乾燥させたもの。
今も錦竜水を使って炊き上げている小豆あんを包み、菊の花模様の木型を押して鉄板で焼き上げます。

 手前:焼餅(3個)と抹茶、奥:焼餅(3個)と冷抹茶
手前:焼餅(3個)と抹茶、奥:焼餅(3個)と冷抹茶

表面はパリッとした薄い焦げ目の層があり、香ばしい。中心の小豆あんは、甘さは控えめで上品な味わいです。抹茶と一緒にいただくと爽やかな甘みが感じられます。

店内から望めるのは、風情たっぷりの中庭。滝が流れており、爽やかな水音を響かせます。

11月~3月下旬ごろには、黄花亜麻(きばなあま)という花が庭一面に。

この黄花亜麻を愛していたモラエスが、およそ100年前に植えた花とされ、「モラエスの花」とも呼ばれています。

また、春は桜、夏は青葉、秋には紅葉と四季折々の趣を見せてくれます。

カメラでどこを撮っても絵になる美しさ。
まるでタイムスリップしたかのような空間で癒しの時間を過ごしませんか?

滝の焼餅 和田の屋 本店
住所/徳島県徳島市眉山町大滝山5-3
TEL/088-652-8414
営/10:00~17:00
休/木曜
https://wadanoya.com/

大滝山・眉山公園で
桜を愛でながら、歴史探訪

滝の焼餅『和田の屋 本店』のすぐ脇には、大滝山へとのぼる石段があります。
厳かな雰囲気のある石段は、急勾配で曲がりくねったり、枝分かれしたりするなど、まるで迷路のよう。

 神武天皇像
神武天皇像

のぼったところにあるのは、明治3(1870)年の「庚午事変」で切腹した志士10人をたたえた「庚午(こうご)志士の碑」。
そのほか随所に神社仏閣や石碑が点在し、参道の奥には日本の初代天皇・神武天皇の銅像、『八坂神社』、『聖観音堂』があります。

この神武天皇像は、日清戦争の記念として明治30年ごろに建立。銅像前に刻まれた碑によれば、日本に2体しかなく、徳島と日向(宮崎県)のみとのこと。

明治中期は三重の塔や料亭も軒を連ね、桜の季節には多くの市民でにぎわっていたそうです。
今でも桜の名所として、学生グループやファミリーなどが思い思いに桜見物を楽しむ姿が見られます。

山頂の『眉山公園』からは、徳島市街地が望め、咲き誇る桜に彩られた春の眺望が広がります。
ぜひ、お花見や歴史散策に足を運んでみてはいかがでしょうか。